猫を飼い始めたらやるべき事

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猫を飼い始めると心配になるのが、猫ちゃんの健康です。

せっかく家に迎えた猫ちゃんには、出来るだけ健康で長生きして欲しいですよね。

この記事では、猫を飼い始めたら必ずやって欲しい6つの事を紹介しています。

この6つをする事が、猫ちゃんの健康と長生きへの第一歩となるでしょう。

 

1.完全室内飼いにする

猫を完全室内飼いにすると「室内に閉じ込めて可哀想」と言う人達がいますが、室内飼いは猫にとって本当に可哀想な事なのでしょうか?

放し飼いにはたくさんの危険が伴います。

放し飼いの危険

  • ・交通事故に遭う可能性がある。
  • ・ケガや病気に感染するリスクが高くなる。
  • ・虐待される危険性がある。

これらの危険性を見ても放し飼いの方がいいと言えるでしょうか?

室内飼いは可哀想と言えるでしょうか?

私は、このような危険がなく食料や水に困らない室内は、猫にとって最高に快適な場所だと思います。

従って猫を飼い始めたら、完全室内飼にすることを強くおすすめします。

2.動物病院へ連れていく

猫を飼い始めたらまず動物病院へ連れて行きましょう。野良猫を保護した時はもちろんですが、ペットショップやブリーダーから猫を迎えた時も、病院へ行き健康状態の確認をして貰うことをおすすめします。

野良猫を保護した場合は、ノミ・ダニの駆除と糞便検査も併せてしてもらいましょう。

3.ウイルス検査をする

猫エイズウイルス感染症(FIV)と猫白血病ウイルス感染症(FeLV)のウイルス検査をしましょう。

保護猫はもちろんブリーダーやペットショップから迎えた猫でも、まれに感染している場合がありますので検査しておいた方がいいですね。

どちらも発症すると数カ月~数年で命を落とす恐ろしい病気です。先住猫がいる場合は感染させる可能性があるので必ず検査してください。

費用は4,000円前後が一般的です。

ウイルス検査の注意点

注意するべき事は猫エイズウイルス感染症(FIV)は抗体検査で、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)は抗原検査だという点です。

FeLVは抗原(ウイルスそのもの)を検査してるので陽性の場合は感染していることになります。しかし抗体検査であるFIVの場合は、陽性でも感染していない場合があります。それは子猫の場合です。母猫から抗体をもらっている子猫は、その移行抗体に反応し陽性になる事があるのです。

ですから子猫の場合は、母猫からの移行抗体がなくなる6ヶ月を過ぎてからのウイルス検査を推奨します。その方が正確な検査結果を得られるからです。

注意点①

注意点②

ウイルスに感染していてもFIVでは2ヶ月、FeLVでは1ヶ月経過しないと検査結果に反映されません。つまり猫を迎えてすぐに検査して陰性でも、陽性の可能性があるということです。

急いで検査を行う必要がないのであれば、猫を迎えて2ヶ月経過してからの検査がおすすめです。その方が正確な検査結果が得られるからです。

ウイルス検査まとめ

猫エイズ陽性でも発症せずに寿命を迎える猫もたくさんいます。猫白血病陽性でも、ウイルスを排出し陰性に転じる可能性は充分あります。

うちに迎えた猫の検査結果でも9匹のうち2匹がFIV、1匹がFeLVの陽性反応でした。しかしFeLVの1匹とFIVの子猫1匹は陰転しました。

陽性だったからといって悲観されないでください。陰転する可能性もありますし、寿命を迎えるまで発症しない場合もありますので。

4.寄生虫予防をする

猫に寄生する虫はノミ・マダニの他にもフィラリア・回虫・鉤虫・条虫などたくさんいます。人にも感染するものもあるので寄生虫の予防は必ず行うようにしましょう。

駆虫薬には猫の首に垂らすだけのスポットタイプが主流です。これ一つでノミ・ダニはもちろん体内の寄生虫にも効果があるものもあります。

駆虫薬によって、予防できる寄生虫が少し違うので確認が必要です。

病院では毎月の予防を推奨している所が多いですが、私は完全室内飼いの場合は年に3~4回の予防をおすすめします。

私のおすすめの駆虫薬は、ブロードラインとレボリューションプラスです。

5.ワクチン接種をする

ワクチン接種をする事で感染症を予防でき、感染した場合の重篤化を防ぐことが出来ます。

ワクチンの種類

ワクチンの種類は大きく分けて次の2種類です。

1.3種混合ワクチン
2.5種混合ワクチン
混合ワクチンとは複数のワクチンを組み合わせたものです。

ワクチン接種で予防できる感染症は主に次の5つです。

①猫ウイルス性鼻気管炎
②猫カリシウイルス感染症
③猫汎白血球減少症
④猫クラミジア感染症
⑤猫白血病ウイルス感染症

3種混合ワクチンと5種混合ワクチンで、予防できる感染症は以下の表をご覧ください。

  3種 5種
①猫ウイルス性鼻気管炎
②猫カリシウイルス感染症
③猫汎白血球減少症
④猫クラミジア感染症
⑤猫白血病ウイルス感染症

ワクチンの費用

・3種混合ワクチンが3,000円~5,000円
・5種混合ワクチンが5,000円~8,000円

ワクチンの接種時期と回数

子猫の場合8週齢以降で1回目、その1ヶ月(4週)後に2回目の接種をします。翌年からは年に1回の追加接種を行います。

成猫の場合でも初年度は2回の接種が必要となります。1回目を接種し1ヶ月後に2回目を接種します。子猫同様、翌年からは年に1回の追加接種を行います。

ワクチンの接種回数に関しては、上記に記載したプログラムが一般的です。しかし病院によっては、初年度3~5回の接種を推奨することもあるようです。病院としっかり相談しワクチン接種を行うようにして下さい。

ワクチン接種の注意点

ワクチン接種注意点

・猫が元気で体調の良い時に接種するようにして下さい。

・接種後は安静にし副反応が出ていないかしっかり見てやって下さい。異常があった場合はすぐに病院で診てもらうようにしましょう。

・接種後2~3日はシャンプーは控えてください。

ワクチン接種まとめ

ワクチン接種には副反応のデメリットもありますが、感染症を未然に防ぐ大きなメリットがあります。病院からしっかり説明を受け、相談して接種するようにして下さい。

私は、完全室内飼いでもワクチン接種は必要だと考えます。今後、新たな猫を迎える可能性があるなら尚更です。完全室内飼いなら3種混合ワクチン、外に出る事がある猫は5種混合ワクチンを接種する事をおすすめします。

6.避妊去勢手術をする

今後、子供を産ませる予定が無いのであれば、避妊去勢手術をすることをおすすめします。メリット・デメリットがありますので家族でしっかり相談して、避妊去勢手術をするかを決めるようにして下さい。

①望まない妊娠の回避

②病気の予防

③発情しなくなる

避妊去勢のメリット

①猫の繁殖力はすさまじく、年に2~3回の出産することができます。1回の出産で平均5匹の子を産むと言われています。

避妊去勢をしないで飼育すると、子猫が増えすぎて飼育放棄や遺棄、多頭飼育崩壊へ繋がる可能性があります。

②雌猫の場合は乳腺腫瘍や卵巣・子宮の病気予防、雄猫の場合は精巣の病気予防の効果があります。

③発情期のストレスが無くなり、大きな声で鳴く・スプレー行為をする等の問題行動の軽減に繋がります。

避妊去勢手術のデメリット

・太りやるくなる。

・全身麻酔のリスクがある。

デメリットで気になるのは麻酔リスクだと思います。麻酔で心臓が止まったり麻酔から覚めない事が稀にあります。

全身麻酔で亡くなる確率は0.2%~0.3%と言われています。1000頭中2~3頭という事になります。

現在はほとんどの病院で麻酔前検査を行っていますので、確率はもう少し低いと思います。でも絶対ではないというのも事実です。病院でしっかり相談して判断してください。

避妊去勢手術の時期

生後6ヶ月~8ヶ月頃の発情が来る前がいいと言われています。猫の個体差もありますので病院で相談して下さい。

避妊去勢手術の費用

避妊手術は20,000円~40,000円・去勢手術は10,000円~20,000円の所が多いようです。麻酔前検査費用が別途必要になる病院もあります。

避妊去勢手術まとめ

私は、病気の予防というメリットを考えると、避妊去勢手術をした方がいいと思います。でも「この猫ちゃんの子供が欲しかったな」と後になって思った事も実際ありました。家庭によって事情は異なるので、じっくり考えて判断してください。

この記事で紹介した内容は猫ちゃんの健康にとって大事です。しかし、それ以上に大事なのが動物病院選びではないでしょうか。どこの動物病院・先生を選ぶかはとても重要です。どんな質問・疑問や相談にも真摯に対応してくれて、信頼関係を築ける病院を選んで下さい。